■行ってきました

荒川三山〜赤石岳〜聖岳縦走 2011.8.16 内藤

種別:
個人山行
目的:南アルプスの稜線歩きを満喫する
山名:荒川三山(最高峰:悪沢岳3,141m)、赤石岳(3,120m)、聖岳(3,013m)
山域:南アルプス
メンバー:CL…K味さん、E原さん、N藤    の3名
日程: 8/10(水)〜8/13(土) 3泊4日
天候:
コースタイム: 8/9(火) 20:00会事務所―0:00静岡IC―2:40畑薙第一ダム入口P(幕営。3:20就寝)
        8/10(水) 5:30起床。7:05畑薙第一ダム入口P…7:30ダム前バス停8:00―9:00椹島
                9:30…13:30清水平(15分休)…16:45千枚小屋(幕営。19:00就寝)
         8/11(木) 2:00起床。3:30千枚小屋…6:30悪沢岳(15分休)…9:30荒川小屋(15分休)
                …12:20赤石岳(赤石岳避難小屋にて30分休)…14:20百間平(15分休)…
                15:15百間洞山の家(小屋泊。18:00就寝)
         8/12(金) 3:30起床。4:45百間洞山の家…6:10大沢岳(15分休)…8:50兎岳(10分休)
                …11:30聖岳…12:10奥聖岳(10分休)…15:00聖平小屋(幕営。18:00就寝)
         8/13(土) 4:00起床。5:45聖平小屋…8:30聖沢登山口―9:20畑薙第一ダム入口P―
        10:00白樺荘(温泉)11:00―14:40静岡IC―16:30音羽蒲郡IC(N藤下車)
  

荒川三山から赤石を経て聖まで、3泊4日で縦走してきました。雑誌で綺麗なお花畑を見たことがあったので最初は楽しみにしていたのですが、計画書を作成しているうち、だんだん不安になってきました。山で3泊もしたことが無いし、南アルプスは雷雨が多いと聞くし、重い荷物を背負って毎日歩き回って体力が持つかしらと思ったのです。

わくわくと不安が半分ずつの気持ちで9日の夜事務所に集合し、K味リーダーの車で畑薙ダムへ向かいます。静岡ICから山深いクネクネ道をひたすら進むと、いつの間にか真っ暗な山道に霧が立ち込め、気味悪い雰囲気です。ようやく畑薙ダムの駐車場に着いた時には深夜になっていましたが、車から降りると、空いっぱいに星が輝いていて気持ちが明るくなりました。明日からがんばるぞ!と興奮しながら、E原さんが持って来てくれたレジャーテントで就寝しました。

10日の朝。天気は快晴です。準備を整えていよいよ出発。本来なら椹島までのバスは駐車場から出発するのですが、7月の台風の影響でバス停はここから20分ほど歩いたダム湖前になっていました。さっそくバス停で記念撮影をしようとデジカメを出したら、まさかの充電切れ。あぁ〜写真撮れない… とショックを受けていたら、K味リーダーから椹島でインスタントカメラを買えばいいと助言をいただく。記録問題はとりあえず解決。今後は気を付けようと肝に命じました。

 
 出発前、椹島ロッジにて。
 

椹島でトイレや準備を済ませて、今日の宿・千枚小屋を目指し歩きだします。樹林帯のつづら折りは、なかなかの急登。天気が良いだけに暑くて汗がたらたら流れます。小石下の手前で休憩を取り、なだらかな道を進んで林道を横切りしばらく歩くと清水平です。山の斜面に流れる南アルプスの天然水は、澄んでいてとっても美味しかったです。元気になって歩きだすと、木々の向こうに明日歩くであろう稜線が。ちらほらとお花も咲いていて、励まされつつ登ってゆきます。いつの間にかK味リーダーのピッチが上がり、E原さんと私はゼイゼイです。元気な顔で到着したいねと、小屋の手前で小休止。息を整えてようやく千枚小屋に到着しました。歩行時間はそんなに長くないのに、急登のためか荷物のためか疲労しています。まあ飲もうということになり、K味リーダーは量を取って缶ビール、私は質を取って生ビールを購入。お酒に弱いE原さんは残念ながら飲めません。何とかここまで上がったぞ、明日からはいよいよ稜線歩きだと思うと、テンションが上がります。
テントを張ってみんな揃ってカレーを食べて、早起きに備えて早々に就寝しました。

翌朝は2時に起き出し、最初のピーク・千枚岳に向け出発。昨夜と同様、天の川まで見えるほど美しい星空です。今日も天気好さそう。と嬉しくなります。この2日目を、私は一番心配していました。行程が長いし荒川〜赤石間のアップダウンが激しいからです。K味リーダーからも「今日、百間洞まで行けるかが今山行のカギ。赤石岳避難小屋に停泊することも考える」との達しがありました。少し緊張しながら登って樹林帯を抜けると、そこは風の国でした。

千枚岳直下には風速10mを越えるかという強風が吹き荒れ、力んでいないと体をもっていかれそう。前を歩くE原さんの華奢な体が吹き飛ばされそうで心配になります。無事全てのピークを踏むまで絶対にがんばるんだ!と念じながら何とか千枚岳へ登頂。岩陰でしばらく停滞し、日の出で明るくなったのを見計らって前進しました。こんな強風で大丈夫だろうか、赤石はおろか荒川の三ピークも踏めるかしらと、心配性の私はハラハラしていましたが、前の二人は平常心です。そのうち少し風が弱まり、日が昇って、花咲く緑の稜線に我々の三つの影法師が映りました。それを見た時、大変に感動しました。恍惚となっていつまでもこうして歩いていたい、と思われました。
緊張が途切れた為か眠気のせいか今でもよく分かりませんが、初めての不思議な気持ちでした。

 
 千枚岳頂上には夜明け直前に到着。
 

風は依然あるものの、無事に悪沢岳へ着くことができました。雲がかかって眺望はありませんが、今山行の最高峰を踏めたことが嬉しくて笑顔になりました。ここからいったん岩場を下り、中岳へ登りかえします。
中岳避難小屋で休止していると、小屋のおじさんが出てきて登山道の様子や風の具合について、アドバイスをしてくれました。武骨な感じの、良いおじさんでした。ここからは順調に中、前と登り、三山をクリア。
荒川小屋までドーンと500m以上下ろされます。落されすぎて笑えてきました。

 

今山行の最高峰。みんな笑顔。

 
悪沢岳〜中岳への登り返し。
 

小屋に着いて休憩していると、後から来た山慣れた感じのおじさんが缶詰を食べ始めました。何でも松本がご出身で今回は鳥倉から光岳まで、4泊5日で縦走するそう。すごいと言うと、「さっき会った60代の女性は、甲斐駒から光まで9泊10日で縦走するそうだ」と教えてくれて驚嘆しました。私なら、そんなに居たら嫌になってしまいそうです。

 
荒川小屋が見えてきた〜 赤石岳まで遠いなぁ
 
ここから再び赤石まで激しい登り返し。南アルプスの山々のでかさを実感します。なだらかなトラバース道の先に急坂が待ち構えています。登りは苦しいけれど、頂を目指してひたすら歩みを進めるのは気持ちが高揚します。
えいっと登り切って、赤石登頂だ!と思ったら、まだ「小」赤石岳でガッカリしてしまいました。小さなアップダウンの末に、本当の赤石岳に到着。ここまで来ればあとは百間洞山の家まで下るだけです。ほっとして避難小屋で休んでいると、三人パーティーがやって来ました。私は気付かなかったけど、昨夜も同じ小屋で宿泊されていたようです。青森から来たというこのお三方も、我々と全く同じルートを計画されているよう。親近感が湧きます。

そのうち、さっきの松本のおじさんも到着。彼も聖平まで一緒です。この世の果てみたいなガレた道を抜きつ抜かれつしながら下り、百間平でみんなが合流しました。青森さん方が細引、カラビナを美しくザックへ装着している様を見てK味リーダーが確認すると、はたして青森勤労者山岳会の皆様だと判明。ますます親近感が増して一緒に記念撮影をしてもらいました。小屋まで小一時間、私たちは7人パーティーとなって一緒に下りていきました。

 
 右の御三方が青森勤労者山岳会の皆様。


長くきつい行程を終えて山小屋でぐびぐび飲むビールは、とってもおいしいです。町では苦くて嫌いなのに不思議です。隣に座っていたおじさんにビーフジャーキーをおすそ分けしてもらって、満ち足りた楽しい気分で酔い、天気が良いのでそのまま外でごはんを食べて小屋に入ります。帰りのバスに乗るために、今夜は小屋にお泊りなのです。慣れない小屋泊に戸惑うK味リーダーが、「毛布はどうやって敷くんだ?」「どうでも好きなように」とE原さんに適当にあしらわれているのがおかしかったです。

翌日は稜線を歩ける最後の日。全てのピークを踏んでいこうと、大沢岳にも足を伸ばしました。ゴーロで足場が悪いものの、稜線から20分ほどで登頂できます。この日も快晴で御嶽や槍まで素晴らしい眺望です。ついでのつもりだったのに得した気分。
それから、例の如くアップダウンを経て兎岳へ到着。E原さん念願のピークです。少し離れた三角点にも、もちろん向かいます。行く人が少ないのかハイマツが腰ほどの高さまで迫り、歩くのに難儀しながらも三角点を探し出してタッチ。さあ写真を、と思ったのですが… デポしたザックに忘れてきてしまいました。充電忘れに次ぐ記録係としての失態。E原さん、すみませんでした。

 
念願の兎岳頂上でご満悦。
 

兎岳の頂上で休んでいると、男性一人、女性二人のパーティーと一緒になりました。この方々も我々と同ルートだったのです。後で判明したのですが、浜松の登山サークルのお仲間だそう。男性の方は、K味リーダーをガイドさんと勘違いしていました。ちなみに私は学生と間違われて嬉しかったです。

兎岳避難小屋を見学してから岩場を下ると、聖岳までの登り返しが最後の急登となります。
「これが最後だから味わって登ろう」と言われ、一歩ずつ踏みしめるように登りました。今山行最後の3000m峰、聖岳から今まで歩いてきた遥かなる稜線を眺めた時は充実感で心がいっぱいになりました。
全てのピーク」方針により、奥聖にも足を向けます。チングルマの綿毛がそこら一面に揺れていて、盛りにはどんなに綺麗だったろうと想像しながら歩きますと、切り立った岩に「奥聖」と手書きで書かれています。立派な前聖の木札に比べると可哀そうなくらいです。

 
やった!最後のピークも無事に踏めた!
 

これよりは下るだけ。威風堂々たる赤石岳の姿をじいっと見収めてから、ザレザレの嫌な道をひたすら下って聖平小屋に到着。嬉しいことにウエルカムすいかをご馳走してもらえました。みずみずしいすいかとシュワシュワのビールが、沁みいるように美味しくて、感極まって大声で「うまい〜」と言ってしまいました。
ふと見れば青森さん、松本のおじさん、ビーフジャーキーのおじさん、浜松さんも勢揃いしています。やあ最高のフィナーレ、大団円だと満足感でいっぱいになりました。

この山行、最後の最後まで本当にラッキーでした。バスに間に合うようにと急ぎ足で下っていると、けっこういいペースで進むことができ、一時間早いバスに乗れるかもと最後の10分はほぼ駆け下りていました。視界にはバスを捉えています。ギリギリで間に合った〜と乗車すると、先行していた浜松さんが「あなたたちが来ると思ってバス停めておいたんだよ」と言ってくれました。このバスに乗れたおかげで随分スムーズに帰ることができ、ありがたかったです。

辛かったのは汗びっしょりなのにお風呂に入れなかったことだけ。それを差し引いて余りある天気に恵まれ、道すがらの登山仲間に恵まれ、景色と花とビールを堪能した素晴らしい山行となりました。的確な判断を下しつつ、いつも元気いっぱいで明るく先導してくださったK味リーダー、必要物資を分けてくれたりマイペースな言動で笑わせていただいたE原さん、本当にどうもありがとうございました。



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