■行ってきました

イブネ・クラシ ササの観察]V 2009.11.15  T.Yamada

愛知県勤労者山岳連盟の鈴鹿山系ササ枯れ調査は今回で5年を終了することになる。滋賀県側のイブネ・クラシからはじまり・御池岳周辺・霊仙山も今では健全なササの姿を見ることはできない。しかし御在所山周辺の鈴鹿国定公園特定地域近く国見岳から鎌ヶ岳にかけてと雨乞岳辺りははササが茂っている。「あつた勤労者山岳会」はイブネ・クラシを担当し11月15日13回目のササ枯れ調査を実施した。調査報告はそのつど調査委員会に提出している。県連では後日5年間のまとめをすることになっている。

1. タケ谷道と千草街道の分岐
朝明渓谷駐車場から根ノ平峠に登り滋賀県側に少し下ると大きな石が見える。千草街道はそこから左に分岐している。この辺りは紅葉も終わり木々は丸裸になっていた。
2. コクイ谷の出合
神崎川は千草街道の杉峠に向かう谷の途中に本流の標識があるがコクイ谷のほうが本流に思えてならない。コクイ谷の渡渉は昨日の雨で増水し石を投げ込んで足場を作った。06年5月14日には約1時間をかけて石を投げ込んだが今回は20分程度で渡った。根ノ平峠までの簡単な渡渉でスニーカータイプのアプローチシューズではすでに足が濡れていた小生はここでも水が入った。
3. イブネ山頂
千草街道から下重谷の手前で別れ佐目峠を目指す。踏み跡はさだかでないが適当に登っていくと佐目峠近くのイブネに向かう尾根に上がる。ササはなくなり足元にはヒカゲノカズラがはびこりアセビの幼樹が成長している。ツツジ科の樹木が枯れて倒れているのが目につく。シカに皮を?されて枯れたとは思えない。山頂は丸裸で芝生状になっている。ササ枯れ調査定点7は少し先の左側だ。帰りに観察しよう。
4. イブネ北端
ササの無くなった平坦な尾根をルンルン気分で歩いて行くと前方がぱっと開ける。イブネ北端からは目の前にクラシが見える。左前方には琵琶湖を望む。
5. クラシ山頂にて本日のメンバー(K.M.は撮影)
今も緑色しているヒカゲノカズラの蔓延る斜面から茶色に枯れているイワヒメワラビの中を樹林の鞍部に下りクラシ谷の最上部を巻くようにして登り返し再び樹林になるとクラシ山頂に着く。シャクナゲに標札が掛っているので山頂なのだと判る。
6. 鈴鹿自然観察定点クラシNo.6
この定点は05年4月24日に設置して以来踏み跡から離れているためか悪戯されていない。1m四方の鎖が今回少しずれていたがこんなことは初めてである。07年5月20日に標ザサとして付けた赤布の1mの枯れて稈のみになっていたササは前回には既に影も形もなかった。枯れて葉がなく稈のみでも20cmを超えるものは皆無である。近くでPh測定のための土壌採取。
7. 1m四方内の小さなササ
07年に新芽のササにも標ザサとして赤布を付けたが前回このササも無くなっていた。そのため新たに残っていた小さなササに赤布を付けてそれがそのまま残っていた。このように葉のついた小さなササは前回8本あったものが4本と少なくなっていた。
8. クラシ北西の小ピークにて(TYは撮影)
01年6月17日と第1回観察時(05年4月24日)(5月1日にアップされている)から毎回同じ位置で撮影しているので足元のササを比較しやすい。稈の立っているササは無くなっている。
9. クラシ観察点位置の目印になるブナノキ
なだらかな小ピークから振り返ると樹林の前に大きな木が一本ある。これが目印でこの下の樹にNo.6の標札が巻いてある。
10. 無残な姿と化したササと樹
笹が枯れ樹が枯れ生命の再生が望み薄の真黒に土壌化しているところ・茶色に冬枯れしかけているイワヒメワラビが繁茂しているところ・緑色のヒカゲノカズラが蔓延っているところ・アセビの幼樹が成長しているところ等はっきり区分けされている。イワヒメワラビやヒカゲノカズラ・マンネンスギに覆われているところは土壌に日が当たるとは思われない。他の植物の種子が飛んできてもそれらが芽を出すようには考えにくい。行政と一体になり行えることがあるように思うのだが。
11. 定点No.7-2イブネ北端
この定点は05年5月14日に追加設置したところであるが06年11月5日には1m四方の鎖や標識は取り払われていた。そのため定点を少し移動した。今回は5年経過観察のため最初の定点でバックの雨乞岳を入れて写真を撮った。ヒカゲノカズラで覆われている。
12. 定点No.7-1イブネ
05年5月24日に設置した1m四方の鎖は06年11月5日には悪戯され50mほど離れた所に放置されていたのとシノ類(スゲ類)やマンネンスギで覆われていてササの観察ができないため90°右に定点を移動したが今回は当初の位置で撮影した。スゲ類とマンネンスギが覆い尽くしている。

概念図はこちら
鈴鹿山系のササ枯れに関心を持ったのは01年6月に銚子ヶ口からクラシに行った時昔体を押し付け掻き分けて歩いた背丈を超えるササが腰ほどになり見透しのきくササ原になっていた時である。05年愛知勤労者山岳連盟でササ枯れ調査委員会が発足し5年間のササ枯れ調査がスタートした。「あつた勤労者山岳会」はイブネとクラシを担当することになり13回の調査を行った。ササが枯れていく経過を観察したが「なぜ枯れたのか」との要因ははっきりしない。鈴鹿山系の山々を歩く機会が多くここまでの5年間で116回鈴鹿に入ってササも見ているがササ枯れは進行しているものの一部では健全なササが残っている。なぜこのような差があるのか疑問もある。シカによる食害説に異を唱えたい。シカが食べた痕があることも確かだがわずかなものに思える。それでは何か?愛知県連5年各定点観測の結果を待ちたい。それでも結論は得られないであろう。今後どうするか。12月8日の鈴鹿山系ササ枯れ調査委員会での検討課題であろう。

★足首の捻挫
佐目峠から下山途中渡渉時スリップして左足首を捻挫した。その時は痛みもなく約40分後千草街道の出合で小休止したあと痛みを感じた。その約1時間後コクイ谷出合で休んだあと右足より左足を前に出すと痛みが強くなった。朝明まで我慢して歩き帰宅後湿布を貼って痛みが退いた。念のため救急外来で検査。骨に異常はなかった。湿布投薬。翌日整形外科受診捻挫と診断された。
<注意点>
雨天後増水が予想されるときはアプローチシューズではなく登山靴を履くこと。
捻挫かなと思った時または痛みの走った時はすぐに湿布を貼るかテーピングテープを張ること
今回湿布もテープも持参していたにもかかわらず処置しなかったものであり反省しきりである。遅い歩行がさらに遅くなりメンバーに迷惑を掛け申し訳ありません。お詫びいたします。


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