滝壷おんなになった日

〜沢のぼり・池ノ谷編〜
記: ぽんぽこ山のたぬきちゃん

★とき:2001年9月9日(日)
★メンバー:Aさん、Sさん、ぽんぽこを含めて合計6人
★コース:あつた労山事務所(5:55)→小岐須(7:00)→大石橋手前(7:40)…避難小屋(9:40)
      …沢のぼり終了(11:20)…大石橋手前(13:55)→金山(17:20)

 あつたに入会して6年7ケ月目にして、ようやく沢のぼりをすることができた。もちろん、30ン歳にして初めての経験である。

 正直に告白すると、私は小さい頃学校のプールがとても苦手で、小4になってようやくカナヅチからかろうじて脱した経歴を持つ。しかもその後も、プールの日はさぼれるだけさぼり…高校はというと、新設校のためプールがなく「25メートル泳げない者は、隣の高校のプールで夏休みに特訓をする」というのを知って、「25メートルは泳げる」と先生に提出して、特訓を免除された経歴もあわせ持つ。
 生まれ育った京都市には泳げるような海や川もなかったし、我が家は山派だったため、夏休みも年に一度、琵琶湖に連れていってくれたかどうかの体験しかない。
 まあ、そんなこんなで、今も自分がどれだけ泳げるかは皆目見当もつかない…。

 そんな私であるからして、水にかかわるスポーツはハナッから諦めていた。が、なーんとなく、毎年、沢へ行ってる人たちの話を聞くと、「とにっかく、おもしろいって!!文句なしにー。山の原点っていうかさあ…いろんな力が問われるんだよねー!」とか「沢をつめて登った頂上にお花畑がパーッと広がっていて、とてもきれいだったよ」とか目をハートマークにさせて言う面々を見て、「ふぅーん、そっかぁ…」とため息まじりに聞いていたのも事実だ。
 だけど、沢のぼりの写真を見ると、滝はすっごくでかくて、私にはとても無理だよなぁとずーっと思っていた。
 ところが、そんな情けない泳げない私でも、連れていってやろうという方々がみえたおかげと、岩を少しかじったちょっとの安心感から「まあ、なんとかなるかな」とようやく1歩踏み出すことができた。

 さて、当日。悪天が予想されたため事務所で仮眠後、車2台で池ノ谷へ。途中小岐須のあたりから通行止め(道路に落石で)になっていたが、協議の結果、自己責任で車で進入し入り口を探した。
 いざ出発!のぼり始めてすぐリーダーのAさんから「もっと水の中を歩くんだよ!」と注意を受ける。いつも沢を歩くときは、濡れないように川の流れを避けて歩くので、なんとなくそうしてしまったが、いつもと逆をすればいいのかと気付いて、初めてなるほどと思った。
 少し慣れてくると、膝くらいまで入り、その後腰くらいまで水に浸かると、あとはもういっぺんにシャワークライミングも心地よくなってしまった。
 そのうち滝が現れると「おお、滝だ!ヤッター!」「どこを登ると楽しいかなぁ?」と、一番水量の多い流れのところを選んで挑めるようになってきた。

 私のすぐ前を行くSさんも同じ好みらしく、メンバーの中で常に2人だけ、まず滝の下の一番深いところに入っていき(一番多いところで首まで浸かった)、さらに一番流れの激しいところを好んで上がっていったように思う。
 「Sさんも流れの激しいところを上がるのが好きですねぇ!前でSさんが行かれるので、私もってなっちゃうんですよ」と声をかけたら、顔をくしゃくしゃとして笑っていた。
 Aさんから「休憩しましょう!」と言われても、「まだ、どんどん先に行きたいよぅ」とダダをこねたい感じ。ハラの底からこんなふうに思ったのはとにかく久しぶりだ。
 「もっと滝!もっと滝!」と思っているうちに源流にたどりついた。

  そこからは悪天も予想されたためピークを目指さず、登山靴に履き替え下山にかかる。
 登山靴に履き替えようとして初めて、替えの靴下を車に残置したことに気付き、Aさんの靴下を借りる。Aさんから「靴の中に靴下を入れて置くと忘れないよ」と聞き、なるほどと思う。
 下山路は一般登山道だがかなり荒れており、おまけにヒルだらけで、かなり皆滑ったり転んだりキャーキャー言いながら下りた。
 
 私以外は何度も沢をやっているメンバーだったが、この池ノ谷は初めてで、小滝がいっぱいあって変化があり、とてもいい沢だと皆口をそろえて言っていた。
 そんなおもしろい谷に、初めての沢として入れた私はやっぱりとてもラッキーだったなぁと思う。これでまた来年まで沢はお預けだと思うが、ガキンチョみたく耳やら鼻やらに川の水をうぐぐっと浴びつつ、滝を登っていくおもしろさに病みつきになりそう。ご一緒してくださった皆様、ありがとうございました。
 
 P.S. 今回一番あれぇ〜と思ったのは、ずっとみんなの笑い声がしたこと。ニコニコしながら、笑い合いながらの山行なんて、日頃はないなぁ…。やっぱり、沢ってふ・し・ぎ。


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