沼津アルプスを行く
真っ白な富士山展望

記 : 富田(征)
日 : 2005年1月8日(土)
天気 : 晴のち曇り時々時雨

 今回は少し贅沢に、行きは静岡まで新幹線で、静岡から沼津までそして帰路も青春18キップでの富士山を見に沼津アルプスの胸踊る山行が始まりました。素晴らしい冬晴でMさんは鼻高々です。なぜなら彼女は公私共に認める晴女であるからです。車窓から富士の全容が見えます。12/18に浜石岳に来た時よりかなり雪を被っています。

・ さまざまに初富士見せて汽車の旅 (初富士が新春の季語)
・ 雪富士を引き立たせたる空の碧



駿河湾のハート型の湾です

 富士の友達のようにその後に墨絵の如く南アルプスが真っ白な姿を現しています。

・ 墨絵めく南アルプス雪景色

 少し沼津アルプスの説明をしておきましょう。沼津アルプスとは沼津市の東方に南北に連なる小さな山並を言います。香貫山から南へ横山、徳倉山、鷲頭山、太平山と続く山稜線を地元の愛好家が整備し、名付けたものだそうです。最高峰の鷲頭山でも392mの低山ですが、起伏が激しく岩場や、やせ尾根があり至る所にロープや鎖を伝って歩行する箇所があります。沼津アルプスはなんといっても、眺望が素晴らしく、山稜線まで登ると眼下に駿河湾を見下ろし、北には富士山が聳え立つ。まさに大パノラマでであります。「真っ白な富士山展望」にはもってこいのコースです。

 時間配分を考え私達は、逆コースの大平山から入り徳倉山で下山する計画にしました。全て計画はMさん任せで感謝にたえません。

 沼津駅に9時に着きました。バスで多比バス停まで約25分で着き、いよいよ沼津アルプスの人となります。かなり急な生活道路は舗装され一汗も二汗もかきます。振り返ると太平洋に連なる駿河湾が眼下にみえます。海の景観もまた素晴らしいプレゼントです。

・ 水平線白し太平洋の冬
・ 眠る山美しすぎる駿河湾 
(山眠るが冬の季語)

 大平山に10:25に着きました。標高は356mですが、さすが急坂を登ってきた時の汗がひき少し寒さを感じます。あんなに快晴であった天候が少し雲行きが怪しくなってきました。冬型の気圧配置で北風が強まってきています。南と北と雲の色が違ってきています。富士山に雲が掛かりだし少し心配です。自然界にお天気が良くなるようにお願いします。

・ 冬雲の影を置くもの置かぬもの
・ 富士のこと木につぶやきし山始
 (山始が新春の季語)


富士山の裾野しか見えません

 さすがアップダウンが多くあり、その証拠に峠越がいくつかあります。まず多比峠を越えて鷲頭山を目指します。岩尾根で昨日雨が降ったのか濡れています。ロープがあるからといってあなどれません。一歩一歩神経をつかいます。周囲はウバメガシの林です。昨年の台風の影響でしょうか、雑木林が根こそぎやられています。自然環境の破壊は我々人間に起因するとこるが大きいと思います。修復はせめてものお返しとしてこれからの課題なると思います。

・ 山々の雑木倒して山眠る

 鷲頭山に11:25に着ました。山頂は草原でかなりの広さです。草刈がしてあり地元の山の仲間が如何に沼津アルプスを大切にしているか分かります。昼食を作るにはもってこいの場所です。残念ながら富士は完全に霞に覆われ裾野しか見せてくれません。Mさんが駿河湾を眺めていて「天使の梯子ができている」と教えてくれました。一条の木漏れ日か海を明るく照らしています。富士山が見えない分、天からの贈り物なんでしょう。

・ 大富士を包み込みたる冬霞
・ 一条の漏れ日海立ち淑気(しゅくき)満つ 
(淑気は新年の荘厳な気配を云い新春の季語)

 小鷲頭山を過ぎますと大変な下りです。滑落注意の看板があります。ロープがあるから下れますがなければ大変です。尻餅をついてお尻のあたりがどろだらけの方がいます。やはりアルプスの名前を命名して頂けるに充分の価値があります。「低山の研究家の小谷さんがいましたら興奮状態ではないか」とある方がいいます。


徳倉山から登ってきた太平山、鷲頭山を見ている図です

・ 空っ風沼津アルプス通り抜け (空っ風が冬の季語)

 本日の最終目的地徳倉山を目指します。冬のせいでもあるのでしょう。楽しめる花や木がほとんどありません。しかし青木の赤い実が道中楽しませてくれます。寒椿も咲きほこっています。徳倉山から香貫山がみえます。冬芽のせいでしょうか、少し赤く色ずん(で見えます。もう直ぐに春がきます。沼津アルプスは各山に桜の木が多いです。春は又よろしいでしょうね。

・ 大富士を遠くにおいて寒椿
・ 今日は今日命尽くして梅花散る
・ 雑木山ほのと色めく冬木の芽


 下山を始めると少し時雨(しぐれ)れてきます。冷たい雨です。しかし傘を差すほどでもありません。香貫台バス停に14:15に着きました。計画では16:00の予定でした。余裕があります。次のバスが来るまでに30分ほど時間があり、先のバス停まで歩くことにし飲み代の少しでも足しになればということです。200円得をした感じがしました。

・ 一行のザック濡らして時雨来し
・ 山時雨静かな音を集め降る


 沼津駅で飲み屋を探します。時間が早くまだ準備中の店ばかりですが、幸いに蕎麦屋がやっています。Tさんと二人して熱燗を存分に飲みました。富士山こそ霞に隠されていましたが、山行中は天候に恵まれ下山時に時雨れて来ただけで、やはりMさんの晴女のお蔭で堪能した沼津アルプスの山行が終わりました。

・ 熱燗や五臓六腑に染みわたる


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