晩秋の宇連山
今年最後の紅葉を楽しむ

記:富田(征)
日:04年11月20日(土)
天気:快晴

 今年の秋の講演会が11月6日で、演題や講師も決まり、「あつた」のノルマは70枚の切符を売りさばく事に決まった。切符が順調に売りさばけれるか、講演会が成功するかチョッとした賭けをしたくなるものだ。

 その独りが四日市のFさんが購入されるかどうかも一つの賭けであり、今後の切符が売れるかの運試しでもあった。何故ならFさんは、日曜日仕事で、また休日もやや不定期で、山や会にも年間を通してほとんど参加できていないからである。それがなんと「講演会に参加する」のメールを頂いた。私は「あつた」の切符の売れ行きに少し自信がついた。その結果59枚ものご協力を得ることが出来た。


(画像は 「デジタル楽しみ村」 のものです)

 私はFさんに感謝をこめて紅葉の山にお誘いをしました。宇連山に直ぐ決まりました。NさんもJ.Hさんも参加し、Kさんは土曜日も仕事が忙しく様子見になりました。

 当日はやはり、Kさんは仕事で参加できず、J.Kさんも急用ができ不参加になってしまいました。東岡崎までFさん、Nさんに来て頂き私の車で宇連山を目指しました。登山口は県民の森だけあって車が30台近くすでに駐車しています。風が冬の冷気を運んできます。

・ 山の朝鼻より寒さ始まりぬ

 18日、19日と雨でしたが、絶好の紅葉晴です。しかし地面はまだ湿り気があります。落葉が大地に張り付いています。

・ 宇連山の雨後の重たき落葉踏む

 周囲を見渡します。銀杏は既に紅葉は峠を越して冬木になっています。しかし楓はこれからです。5分程度でしょうか。落葉と紅葉さらに枯木とのコントラストが、詩心を高揚させます。今日は楽しみな句がいくつか出来そうです。落葉の上にしきりに紅葉が散っています。

・ 宇連山の好日にきて散紅葉
・ 落葉踏む音に若さと老ひのあり




 最初の一本を下石の滝でとりました。前日の雨で水量が実に豊かです。Kさんがご一緒していたら嬉々として喜んだことでしょうに。何故なら彼は滝博士、古木博士なんですから。

・ 舞ふ落葉捕らえて遊ぶ峪の水
・ 秋深し水ぼんやりと日を乗せて
・ 落葉して水がこわれてをりにけり


 ところどころに茸を取るなの看板があります。奥三河は適度のお湿りがあり茸が多くでるのでしょう。しかし目につくのは、あやしい茸ばかりです。

・ 毒茸またも足蹴にされてをり

 尾根にでました。芒(すすき)が銀色に輝いています。風と友達なんでしょうね。風の力を借りて子孫を増やすのですから、風のいうがままに自在に動いています。

・ 枯芒(かれすすき)風の白さが生まれけり

 尾根からの奥三河の山々はまさに紅葉一色です。黄色と赤のコントラストが目に焼きつきます。私のデジカメを持参する予定が、故障してしまいメンバー諸君に謝ると同時に脳裏に焼き付けて置くようにお願いしました。

・ 黄の帯と赤の帯とのある紅葉
・ 一望の嶺々塗り替へてゐし紅葉

 

 山頂に13時着きました。20名ほどがいましたが、彼等は早々に下山につき我々の独占になりました。やはり山頂です。風が冷たいです。汗を運んでいきます。

・ 宇連山の風の荒びる暮の秋

 県民の森の中の「モリトピヤ愛知」の温泉につかる予定をしていましたが、15時までの入浴受付であるため、入浴をあきらめて下山はゆっくりと紅葉を堪能することに決めました。



 登りには気づかないさらなる紅葉の美しさを発見します。18種類の楓がこの宇連山周辺の県民の森にあるそうです。Nさんが楓の一葉を私に下さいます。私は句手帳に栞として挟みました。

・ 一葉の紅葉句帳にはさみをり

 県民の森は我々だけです。実に静かです。冬の蝶が命の限りをつくして舞っています。後ろにささやかな音が聞えます。暮の秋を堪能して会話が弾みます。朴(ほう)の葉は全て枯れおちています。白い葉裏をみせています。自然の造形美は人にやすらぎを与えてくれます。皆詩人になります。

・ 冬蝶の命の限りある微動
・ 落葉ふと枝を離れる静寂(しじま)かな
・ 朴落葉落ちて又空軽くなる


 駐車場に着いたのは16時でした。冷え込んできます。一枚余分に着込みました。もう直ぐ冬です。宇連山も登りも下りとも急勾配でかなり神経を使いました。特に岩が濡れていたから神経を使いました。少し疲労感を感じています。

・ 宇連山の冬の訪れ間近なる
・ 山下り来枯葉のように疲れたる


 山の端が茜色になってきました。釣瓶落しで暗くなってきます。楽しかった1日が終わりました。

・ 山の端に日の落つ秋を惜しみけり


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